前回までのあらすじ:
ナターシャ一家と楽しく台東中を観光しまくり、グルメに舌鼓を打ちまくり、これ以上ない充実した日を過ごした私Boo。
明日は、わざわざマレーシア旅行を途中でキャンセルしてまで台湾へ戻ってきてくれたというビアンカとも、久しぶりに再会できるとあり、私Booもナターシャもワクワクドキドキ。
ぐっすり眠れそうなぐらいよく遊んだので、そろそろ家へ帰ろうかと話していたとき、ビアンカからびっくりさせるような突然の連絡が・・・
[行程]
4月25日(月)大阪→台北
4月26日(火)台北→台東
4月27日(水)台東→台北
4月28日(木)台北→大阪
〇4月27日(水) - 28日(木)
ビアンカ;「ね~ナターシャ、あたし提案あるんだけど、明日Booをうちまで連れて来てくれない?」
ナターシャ;「ちょ、ちょっとアンタ!うちとこからアンタとこまで車で1時間かかんねんで!アンタこっちへ来る言うとったやんかいさ!」
ビアンカ;「そうなんだけど、マレーシアから急にドタバタで帰ってきたから疲れちゃってるし、それに台東の一番いいとこまだBooに連れてってないんでしょ?」
ナターシャ;「もう連れまくっとるわ!台東夜市、カジキマグロ、原住民・・・」
ビアンカ;「池上弁当!、Booが一番楽しみにしてるのって、池上弁当以外に何かあったかしら!?」
ナターシャ;「アンタ・・・アンタって人は、そこまでBooのこと考えたってたんか・・・今回はうちの負けや。アンタに花持たそ。」
そばで不安そうに聞いていた私Booのために、娘のオクサナが通訳してくれ、成り行きを理解できました。
ビアンカはビアンカで、疲れていて台東市内まで出てくるのも辛いというがあるにせよ、台東の誰もが ”台湾一” と自負するものを友達に体験させてあげたい、そう思っての突然の申し出だったのです。
その思いをナターシャは十分理解しましたが、一つ気がかりが・・・
実は台東最終日となる27日は、当初ビアンカが台東市内まで出てきてくれることになっていたので、帰りの切符を「台東→台北」で既に予約購入していました。
そのため、市内から50キロ離れたビアンカの住む池上地区(花連と隣接した田舎町です)まで行き観光を楽しみ、また台東市内へ戻ってきてから帰りの電車にBooを間に合わせるのは、物理的に無理だと心配してくれていたんです。
そこで息子セルゲイがさらっと・・・
セルゲイ;「おかん、Booの切符、池上の手前の關山駅から途中乗車出来るさかい大丈夫やで!」
ナターシャ;「ちょっとおまん!それ早よ言いなや!うち100パーセントのおもてなししよと思て、だいぶ悩んで行程組んでたのに情けなて情けなて・・・」
この夜、台東の友人たちの暖かい心を痛感し、私Boo、嬉し涙で枕を濡らしたのは言うまでもありません・・・
そして翌朝、近所の市場で地元の伝統朝食を堪能した後、一旦帰宅し、ナターシャの夫、2人の娘、そして可愛いワンちゃんと最後のお別れです。ナターシャとは以前からの付き合いですが、ご家族とは1泊2日だけの真新しい関係です。それでも別れのときは暖かいものが頬を伝ってきました・・・
長く別れを惜しんでいると余計に辛くなるので、セルゲイとナターシャに引っ張られるように池上へと向かうことに。
台東市内から池上へは、南から北へのほぼ一直線の道をひたすら進みます。
市内を抜けると周りは山と畑のオンパレード。
池上周辺に近づくと、8割、9割が米畑です。この米こそ台湾を代表する ”池上米”。国内の米の品評会でも常に優勝を果たすほど味、品質ともにトップクラスで、EVA航空の台湾観光プロモーションビデオでも取り上げられるほど台東県民が一番と誇るものなのだそう。
永遠に広がる米畑は絶景そのもの。4月下旬、また池上の標高もあり、非常に清清しい気候で気分も最高です!
ほどなくしてビアンカ宅に到着。
久しぶりに再会したビアンカは・・・
アレ!?
日本で会ったときよりもかなりボルテージが高くてアグレッシブだぞ!?
旅行先よりも地元の方がテンションが上がるタイプだったのでしょうか!?とにかく久しぶりに会ったビアンカは超ファンキーでノリノリです!
ビアンカ;「Boo、あなたほんとよくここまで来てくれたわね!さあ、時間ないわよ!先ずは市場でアレを調達しなきゃね。」
ビアンカのアグレッシブな誘導により、我々一行はまずは市場へ・・・
ビアンカの言う ”アレ” とは、ニワトリの丸焼きのことでした。何とこれを持参で次の目的地である池上弁当のレストランへ行くと言うのです。
日本では飲食店への飲食物の持ち込みはマナー違反ですよね、普通。でも台湾はそんなのおかまいなし。別のところでドリンクを購入して、それを持ち込むぐらいのことは今まで台湾で何度か経験したことありましたが、こんなニワトリまるまる1匹を持ち込むなんて、想像を遥かに超えていたのでただただビックリな私Booでありました。
有名な池上弁当、そしてまさかのニワトリ丸焼きを堪能した私たちは、記述の観光PVで一躍有名に、そして今では観光スポットにもなっているロケ地巡りをすることに・・・
ここで更にまさかと思う出来事が・・・
いや当然と言うべきでしょうか・・・
先ほどの池上弁当のレストランといい、ロケ地といい、旧型自強号(特急列車)記念館といい、どこへ行ってもかなりの人だかり。(失礼な言い方なのですが)こんなド田舎に「なぜ!?」と思っていましたが、どうやら中国からの観光客の皆様とのこと!
インバウンドは大阪だけじゃない!どこへ行っても観光地はインバウンドなのか!?と思わせるほど。
時の流れは残酷です。
あっと言う間の台東旅行も終わりに近いづいてきました。
電車の時間があるので、一目散に關山駅へ・・・
お世話になったナターシャ、ビアンカ、そしてずっと運転と通訳をしてくれたセルゲイにそれぞれ別れの抱擁です。
これ以上いたら辛くなるだけだから早くホームへ行くよう促されますが、私Booの足取りは軽やかではありません。
しかし、無情にも向こうの方から自強号がやってくるのが見えました。本当にお別れです・・・
ホームから改札を見ると、笑顔で手を振る彼女たちの姿が霞んで見えました。
でもその瞬間、自強号がその景色をさえぎり、私Booは一瞬にして我に返りました。列車に乗り込み荷物を置き、そして車窓からもう一度改札を見てみると、そこにはもう人の姿は見当たりません・・・
その直後、ナターシャからLINEでメッセージが届きました。
ナターシャ;「Boo、かばんの中見てみ!うち台東で自慢の梨とリンゴ入れといたから、台北まで長いからな、お腹空いたらそれ食べてな!」
ナターシャが知らないうちに、私Booのかばんの中に果物を仕込んでくれていました。
いつ入れたんだろう!?全く気づきませんでした。
それより、あまりの心遣いに胸が痛くなるほど泣けてきて、何だか辛くて、列車の中では食べられそうにありません・・・
とりあえずお礼の返事をしようにも、涙でスマホの画面がよく見えず、しばらくそれがおさまるまで心の中でずっと感謝の思いでいることにしました。
ナターシャ、本当にありがとう!いつも満面の笑みで楽しませてくれ、その裏側では一生懸命緻密に計画を立て人を喜ばせようとどれだけ努力してくれていたことか・・・
ビアンカ、故郷では日本とは違った一面も見せてくれ、よりお互いの距離が縮まった感じがして嬉しかった・・・
ルーシー、今回も忙しい中、皆に連絡してくれたり色々と段取りしてくれて本当に助かりました。貴方がいたからこそこうして皆と再会できました・・・
レイチェル、電話で声だけでも聞けて嬉しかったです。Booと喋るために苦手な英語を勉強してくれてたなんて、ニクイですよ・・・
こうして、今年2月に弊社代行の民泊に宿泊してくれた彼女ら ”浪速に舞い降りた天使たち” 一人ひとりに、心の中でお礼をしていたつもりが、気付けば何と4時間30分爆睡し台北駅に到着していました!
駅を出るともう外は真っ暗で、台東での楽しかったひと時が遠い昔のことのように感じられました。
台湾最後の夜は、Facebookで知り合いになった方々ともお会いすることになっていたので、ロッカーに荷物を預けて地下鉄で移動です。
台北駅から中山エリアへ、そしてその後は松山エリアへ・・・
初めてお会いする方々、以前から仲良くしてもらっている方々と楽しく台湾最後の夜を過ごさせていただきました。
最後のお宿は、台北駅から徒歩圏内のゲストハウス。いわゆるドミトリーでの宿泊です。
私Booがチェックインしたのはもう午前様でしたが、8人部屋のドミトリーには誰もいませんでした。まあ平日だし、閑散とした日もあるのだろうと感じつつ、同時に、荷物を整理しながら今回出会った皆さんのこと、美味しかったもの、楽しかった場所などが走馬灯のように思い起こされました。
もう思い残すことはない、帰国日に備えてぐっすり眠ろう、そう思った瞬間、ドミトリーの扉が開き宿泊客が入って来ました。
Boo;「ハイ!アイム、ブー。」
ヨンジュン;「アイム、ヨンジュン。ナイストゥーミーチュー。」
ドンゴン;「ハイ、アイム、ドンゴン!」
同室の宿泊客は韓国・釜山から来たという学生さん達でした。
何と日本語専攻とのことで、かなり日本語が達者!台湾で日本語が話せるなんて夢にも思っておらず、感激し完全に目がさえてしまいそうでした。
私Booの下手な韓国語とヨンジュン君らの達者な日本語のやり取りで!?、一気にお互いの距離が縮まり仲良くなってしまった感じ。
帰国便の関係で早朝起床のため、盛り上がったトークも一旦終了させ就寝することに・・・
お互い大阪、釜山へ旅行する時には是非会いましょう!と約束し、SNS連絡先の交換も済ませ深い眠りにつきました。
たった3泊4日でしたが、今回もたくさんの出会いと別れを経験いたしました。
でも別れは再会するために必要なこと。そこには希望の持てる側面もあるということですよね。
そう、だから私Booはこれから先も海を渡り続けます。
=完=